もりのきBLOG「おそらくはそれさえも平穏な日々」 旅の家 北海道・小樽 杜の樹より

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日々是旅 10:13
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     「遠い太鼓に誘われて私は長い旅に出た」
      村上春樹著「遠い太鼓」の冒頭に記されているトルコの古い歌がある。
      韓国からの旅人が韓国語に翻訳されたその本を持っていて、久し振りに僕も読み直してみた。
      僕が遠い太鼓の音が気になりだし、旅に出たのは18の時である。もう四半世紀も前のことだ。自分捜しの旅とか、出会いを求めてとか、ここじゃないどこかへ行こうとか、そんな哲学的な話ではない。どちらかというと、物理学的であり、力学的であった。
     ひたすら南へ。地図で言うなら「下へ!」自由落下のような旅だった。
      18の世間知らずで恥知らずが、旅をして、いろんな町を見た。いろんな人に逢った。いろんなものを食べ飲んだ。そして、いろいろなことを知ろうとした。貪欲な旅だった。
      デジカメもなければ、パソコンも、ケータイもない時代だった。カメラは持っていたものの、フィルムが買えなかった。記憶はデータではなく胸に刻まれた。でも、いつしかそれも色褪せていき、消えていく。なんかそれでいいような気がする。
      本の最後に「そして僕は何処にでも行けるし、何処にも行けないのだ。」とある。
      未だ僕の中で太鼓が響いている。今でもぼくは旅をしている。この場所で。(旅の宿経営・小樽)
    2009年12月26日 北海道新聞(朝刊)「朝の食卓」 より
    今日(2009.12.26)の北海道新聞朝刊「朝の食卓」に掲載されたコラムの校正前の原稿です。
    これで最終回です。ありがとうございました。
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